RFスラスタ


研究内容
開発期間の短縮と低コスト及びリスクの分散という利点のある小型人工衛星用の高性能エンジンの開発を行っています。
RFスラスタは電気推進システムの一つであり、推進剤を高周波により加熱しプラズマ化させ、高速の排気ガスを噴射させて推力を得る装置です。
推進剤には水を用いており、様々な用途に用いられる可能性があります。






プラズマ生成原理
本研究ではプラズマ生成にICP(Inductively Coupled Plasma)放電を利用しています。この生成の原理は高周波電流が誘導コイルを流れると磁力線は放電管内に高周波磁界が形成されます。電磁誘導のため、この高周波磁界の時間変化に比例した電界が放電管中心部に発生します。電子やイオンはこの電界によって加速されると同時にガス分子との衝突を繰り返し、さらにその一部を電離、単位時間内における電子の発生量が消滅量より多くなると電子密度が急増し、放電管内にプラズマを形成します。

























レーザー計測
スラスタ性能改善のため、システム内の損失原因を調べる必要があります。当研究室では推進剤プラズマの状態を計測するため、半導体レーザーによる計測システムの構築を行っています。現在はレーザー吸収分光法(LAS)、Integrated Cavity Output Spectroscopy(ICOS)、Cavity Ring-Down Spectroscopy(CRDS)等の計測システムを研究に用いています。






実験体系と性能


推進剤 H2O
投入電力 100 W
推進剤流量 1.075 mg/sec
投入周波数 3.0 MHz


推力 3.6 mN
比推力 341 sec
エンタルピー変換効率 0.37
推進効率 0.05
推力密度 15.86 N/m






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