九州大学大学院 総合理工学府 先端エネルギー理工学専攻 / 九州大学 工学部 エネルギー科学科
先進宇宙ロケット工学研究室(山本研究室)
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プラズマ応用&プラズマ診断

Ball lightning

Ball lightningは「火の玉プラズマ」、「ファイヤーボール」とも呼ばれる大気圧プラズマであり、 電解液表面の高電圧放電によって生成されます。Ball lightningはエネルギー投入時間に対して 長い寿命を持ちます。Ball lightningはOHラジカルやOラジカルを作り出しますが、これらのラジカルは PM2.5を酸化処分する作用を持ちます。そこで、山本研究室ではBall lightning のPM2.5除去装置への 応用を目指して研究を行っています。
Ball lightningの詳細な物理現象は未だ解明されていないため、 私たちはBall lightningの温度を様々な手法(発光分光法やレーザー診断)によって調査するとともに、 フィルター上でのPM2.5の分解実験を行っています。
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cBNを電極に用いた電界放出カソード

デブリ除去を目的として電力、燃料を諸費しない推進システムである誘導性テザー推進が 注目を集めています。このシステムの鍵を握るのが、電子を放出するエミッタと呼ばれる 電子源(カソード)です。宇宙用電子源の候補として、フィラメントカソード、ホローカソード、 マイクロ波放電型カソード、電界放出カソードなどがあります。その中でも、電界放出カソードは 消費電力が少なく、作動ガスを必要としないという大きなアドバンテージを持っています。 JAXAではカーボンナノチューブ(CNT)を用いた電界放出カソードの開発が進められています。
しかし、低軌道のミッションにおいては、軌道上に存在する原子状酸素によってカソードの 電子引き出し性能が低下してしまいます。そこで、私達は原子状酸素に対して強い耐性をもつ 立方晶窒化ホウ素(cBN)を電極に用いた電界放出カソードの開発を行っております。現在、 3.4 kV印加時に0.55 mA/cm2の引き出し性能が得られています。
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キャビティリングダウン分光法 Cavity Ringdown Specroscopy (CRDS)

CRDSは、ターゲットサンプルの密度および速度を高精度で計測することが可能なレーザー 吸収分光法です。この手法は分子分光や大気のモニタリング、燃焼診断、プラズマ診断などの 分野で発展してきました。右図に示すような2 枚の高反射ミラー(反射率>99%以上)で 光学キャビティーを構成すると、 閉じ込められた光は反射の度に少しずつ強度を減衰させ ながら反射を繰り返します。反射の際に一部の光はミラーを透過してくるので、その強度の 減衰を観測することでキャビティー内にある物質の密度および速度を測定する方法です。 高反射ミラーの反射率がたとえば99.99%とすると,光路長は10000倍になるため,感度は 従来の吸収分光法の10000倍になります(吸光度は吸収係数と光路長の積として得られる)。 さらに、基底状態の密度が計測できる、絶対密度の算出に較正が必要ない、などの特徴を 持っています。
山本研究室では、CRDSを用いて電気推進機から排出されるスパッタ粒子を計測することで、 リアルタイムで定量的な耐久性の評価が可能なシステムを開発することを目的としています。
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レーザートムソン散乱計測

レーザートムソン散乱法は、非接触でプラズマ中の電子密度や電子温度を計測することができる 測定手法です。プローブ光が電子によって散乱されると、インコヒーレントな領域においては、 そのスペクトルは電子の速度分布(すなわち電子温度)を反映し、その強度は電子密度に比例します。 この手法は核融合プラズマなどのプラズマ密度が10^19 m^-3以上の高温・高密度プラズマの 測定方法として発展してきましたが、 近年フォトンカウンティング法の適用により10^16 m^-3以下の 低密度プラズマの測定が可能となってきました。これにより、レーザートムソン散乱法を小型マイクロ 波放電式イオンエンジンや中和器に適応することが可能になりました。これまでの研究で、 レーザートムソン散乱法がこれらのプラズマ諸量を計測するのに有効なツールであることが示されました。
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