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ホールスラスタ


 ホールスラスタは,ホール電流を利用した静電加速方式の電気推進機の一つであり,50%以上という高いエネルギー変換効率(推進効率)と 低燃費(高比推力)を両立し、さらにその原理上高密度プラズマイオンを排出することが可能です.そのためホールスラスタは人工衛星の軌道変更や、人工衛星や宇宙大型建造物の南北制御などの地球近傍ミッションに適しており、実際に月探査のSMART-1のメインエンジンとして,また静止衛星の南北制御用のエンジンとしても使われております.
 残念ながら日本においては,実用化されたホールスラスタはまだありませんが,東京大学や大阪大学,大阪工業大学,東北大学,名古屋大学,岐阜大学,九州大学,八戸工業大学,宇宙科学研究所などの研究機関だけでなく,IHIや三菱電機においても活発に研究開発が進められてきております.
九州大学においても,ホールスラスタの実用化のために,内部プラズマの観察や小型ホールスラスタの開発,寿命評価システムの構築,インテリジェンス電源の開発などに取り組んできました.