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磁気スラストチャンバー


核融合エネルギーを推進エネルギーに利用するので莫大な推力を得ることができます.
レーザー核融合だけではなく,レーザー生成プラズマを磁場によって推進エネルギーに変換する推進システムです.





超伝導コイルによる磁場中で,レーザー核融合を起こします.





核融合プラズマに含まれる荷電粒子は磁場と相互作用するので,磁場を圧縮するように膨張していきます.
つまり,プラズマエネルギーは磁場を押し広げるためにエネルギーを減少し,
磁場はプラズマからエネルギーを受け取ります.





しかし,磁場エネルギーが大きくなりすぎると,均衡が崩れ,
磁場が元に戻ろうとします.
そして,プラズマが押し出されてしまいます.
これが宇宙船を前進させる推力になります.


シミュレーションでは,3次元ハイブリッドコードを用いて磁気スラストチャンバーにおけるプラズマの挙動を解析することにより,プラズマのエネルギーが推力に変換される基礎過程を解明することや, 磁場とレーザー生成プラズマの推進システムとして最適な条件を見つけることを目的としています.この3次元ハイブリッドコードは、,プラズマ中のイオンを粒子として扱うことで系の物理現象の時間スケールが,イオンサイクロトロン周波数で特徴付けられる時間スケールよりも小さい現象を解析することができます.また,プラズマ中の電子を慣性を無視した流体として扱い,電子の運動(プラズマ振動、サイクロトロン運動)のタイムスケールで起こる現象の影響を除去し,計算の時間幅や空間幅を大きくすることの出来る計算コードです.


下の2つのアニメーションがその一例です.
初期パラメータを変更しただけでプラズマ噴出の仕方が大きく異なるのがわかります.











実験は,一昨年から大阪大学レーザーエネルギー学研究センターと共同で行っています.磁気スラストチャンバーをモデルとした体系で,磁場とプラズマによって得られる推力測定を下記の振子式スラストスタンドと呼ばれるもので行いました.

その結果,実施した実験によって世界で初めて磁気スラストチャンバーの実験的実証に成功しました.

今後、推力を向上させるために最適な体系を検討していく予定です.また,磁場中のプラズマが磁場がない場合と比べてどのように変化しているのか?プラズマがどのように噴出されているのか?を,中心に行っています.そして,数値シミュレーションとの比較を行い,レーザー核融合推進に応用しようと考えています.



使用している大阪大学激光12号大型レーザー装置(最大3.6kJ)



使用している大阪大学EUVデーターベース小型レーザー用真空容器(最大1J)


実験器具の一例です.(イメージ図です.)



推力測定用措置(大型レーザー用)



推力測定用措置(小型レーザー用)




本研究がブラックホールやジェット,コロナ質量噴出の解明や,半導体加工装置の開発にもつながると考えています.